ＰＨＳには、大きく分けて三つのデータ通信方式があります。「みなし通信」、「ＰＩＡＦＳ」、「αＤＡＴＡ」です。
「みなし通信」は、ＰＨＳのイヤホン端子を使って、通常の電話で接続するのと同様に、モデム経由で接続する方法です。この場合、実用として９６００ＢＰＳが上限といわれています。しかし、現在すでに電話で通信をしている人にとっては、特に新しい機器を購入する必要はない、というところがメリットです。ＰＨＳも、イヤホン端子さえついていれば、最新（いわゆる高速データ通信対応）のものでなくてもかまいません。実勢価格ではゼロから数千円といったところでしょうか。
「ＰＩＡＦＳ」は、PHS Internet Access Forum Standardの略で、「ピアフ」と発音するそうです。これがうわさの、４月１日に開始されたＰＨＳによる３２ＫＢＰＳデータ通信サービスそのものです。なにしろ「標準規格」なので、今後の普及が期待されますが、プロバイダが対応してくれない場合には、データ変換費用が（通常の通話料金に加えて）１０円／分必要です。幸い、ニフティは４月１日から、全国１１カ所のＰＩＡＦＳ対応ＡＰを開設し、これに対応しているので、追加料金は必要ありません。実勢価格はＰＨＳ本体が１万円程度、データカードが１万円強くらいで、全体として２万３〜５千円くらいでしょうか。
「αＤＡＴＡ」は、ＤＤＩポケットが独自に提供するサービスで、昨年の１２月１日から開始されました。ＤＤＩの基地局にＴＡやモデムを内蔵し、そこから（接続先がアナログ回線の場合）１４．４ＫＢＰＳでの接続が行えます。デジタルだと３２ＫＢＰＳです。ＰＨＳ本体が１００円〜７千円程度と安いのですが、データカードが３万円弱します。全体として３万〜３万５千円くらいでしょうか。
「αＤＡＴＡ３２」というのもありますが、これはやはりＤＤＩ系のもので、「ＰＩＡＦＳ」にも「αＤＡＴＡ」にも対応しているというもののようです。今回の調査では、実勢価格がつかめませんでしたが、かなり高めといううわさを聞いています。
ちなみに、各グループのホームページは次のとおりです。
前回の調査で、ＮＴＴパーソナルの製品がトータルとして安そうであることがわかっていましたので、今回はＮＴＴパーソナルのパルディオ（ＰＡＬＤＩＯ）シリーズに絞った調査を行いました。
パルディオの３２Ｋデータ通信対応機種は、３１３Ｓ、３１２Ｓと２種類が発売されており、４月中旬に３１１Ｐという新機種が発売の予定となっていました。今回は、その３１１Ｐの現地調査が主目的でした。
ビックカメラのＰＨＳ売り場にいくと、さっそくおねえさんが、「なにかおさがしでしょうか？」「え〜っと、ＮＴＴパーソナルの３１１Ｐを見に来たんですけど....」「はい、少々お待ちください。 ... こちらＮＴＴパーソナルのお客様です」と別のおねえさんにバトンタッチ。あらま、最初の人は、ＤＤＩのおねえさんだったのですね。たいへん失礼をば..。
が..、「お客様、３１１Ｐは当初３月中旬発売予定が、４月中旬に延びていたのですが、さらに発売延期になりまして、５月中旬に出荷予定です」だって。
一応、カタログだけもらって、実売価格を調査してきました。
名称 標準価格 実売 待受 通話 容積 重さ 備考 311P \37,400 - 800h 8h 77cc 77g 最軽量、連続待受最長モデル 312S \37,900 \8,000 550h 6h 68cc 80g 超薄型フリップタイプ 313S \37,900 \8,000 550h 6h 71cc 80g付属品として、いずれも「充電器」「電池パック（１個）」「充電器用電源アダプタ（１個）」「ハンドストラップ」が付きます。
実売価格は、前回よりさらにさがって８千円でした。３１１Ｐがでてきたら、どう変化するでしょう。
そして、３２Ｋデータ通信を行うのに必要なＰＩＡＦＳ準拠のデータカードは、三つのメーカーから発売されており、それぞれ型番をDC-1P、DC-1S、DC-1Nといいます。標準価格はいずれも19,800円ですが、実売価格はいずれも９千８百円です。
このカードは、PCMCIA2.0/JEIDA V4.1準拠で、一般的なWindows95対応のノートＰＣや、ＮＥＣモバイルギアなどで使用できます。ザウルスには使用できません。
ということで、一式だと１７，８００円となります。これに、契約事務手数料が、３，０００円かかります。税込み合計は２１，８４０円ですね。
このパルディオシリーズには、付加機能として、最大７０文字のメッセージが、最大２０件まで使用できる「きゃらメール」（使用料月額１００円＋メッセージ読み出し１件５円）というサービスと、ＰＨＳの電源が入っていないときや電波が届かない場所にいるときにかかってきた電話を留守番電話サービスセンタに保存できる「留守番電話サービス」（月額１００円）などがあるそうです。「転送電話サービス」は、使用料無しで利用できるということでした。
先日、池袋で「５月中旬に延期になりました」と言われた、ＮＴＴパーソナルの最新型のＰＨＳ（３１１Ｐ）ですが、新宿には「展示用モデル」というのが展示してありました。外観、質量、手触りなどがまったく本物どおりに作られているモデルで、「展示用モデル」というシールがなければ、まったく気が付きません。
来週末には出荷されるだろうということでした。
さて、池袋での実売価格８千円に比べて、新宿では、ヨドバシカメラ、さくらやなどが \7,800 で、その外の店は値札は９千円前後がついているものの「まだ下がります」の添え書きつきでした。だいたい、池袋、新宿とも８千円そこそこといったところですね。
まわりに並んでいる、３２Ｋデータ通信に対応していないＰＨＳが、７円とか、２００円といった値段がついているのとくらべると、データ通信対応機種周辺だけがうんと高い感じがしてしまいます。
近くで、若いカップルの男性のほうが「おれ、このＰＨＳ２千円で買ったのに、７円だって...」って。２千円でもじゅうぶん安いと思うのだが...。
ＤＤＩポケットの３２Ｋ対応のものは、やはり４〜５千円といったところでした。
データカードは、ヨドバシカメラで \11,100 と、これは池袋(\9,800)より高い値段設定になっていました。ＤＤＩ系のものは、以前の調査どおり３万円弱。
来週末出荷予定の３１１Ｐに関しては、「今までのものより少し高い、１万２千円くらいになるんじゃないでしょうか」というお店と、「今までのものと同じく、やはりこれも８〜９千円程度になるでしょうね」というお店の両方がありました。
「３１１Ｐがでたら、今ある機種の値段は下がりますかねぇ？」と質問してみたところ、「３１２Ｓなどにしても、まだ発売から１ヵ月程度しか経っていないですからねぇ。あまり下がらないんじゃないですか」とのことでした。
>ということで、一式だと１７，８００円となります。これに、契約事務手数料が、
>３，０００円かかります。税込み合計は２１，８４０円ですね。
ところで、前回のこの記述に間違いがありました。契約事務手数料は、１回目の利用料金とともに引かれるのだそうです。したがって、お店に払うのは、池袋の場合だと、１７，８００円だけ、税金を入れると１８，６９０円となります。
新宿の場合、ヨドバシカメラだと、本体７，８００円、カード１１，１００円で、合計が１８，９００円です。なんと、ヨドバシカメラはこれが税込価格なのです。
そこで．．．、みなさんもうお気づきですね(^^)。ヨドバシカメラで本体を買って、ビックカメラでカードを買うと、本体が税込み７，８００円と、カードが税抜き９，８００円（税込み１０，２９０円）で、合計１８，０９０円と最も安くなるのでした。(^^)
しかし．．．、調査につぐ調査を続けたわりには、顕著な価格差はないですね。市場価格とはよく言ったもので、かなり統一された価格になっているものなんですねぇ。いや、あらためて感心いたしました。
なお、アステルのＰＨＳは「３２Ｋ対応シリーズは本日入荷予定なんですが、まだ入っていません」とのことでした。こちらも、本体、カードともに、ＮＴＴパーソナルとほぼ同価格帯になるだろうとのこと。お店の人によると、「都内だけでの使用を考えると、アステルが一番よく使えるみたいですよ」ということでした。
なんだか、ＰＨＳそのものよりも、調査をすること自体がおもしろくなってきました(^^)。よ〜し！ 次は秋葉原かぁ〜っ！！ (^^;;;
+-----------------------------------------------------------------+ | 注 | 実売価格の情報があるのとないのとでは、情報の有効性が大き | | 意 | く変わるため、あえて実売価格の情報を記述してておりますが、| | 事 | 実売価格は「生もの」ですので、日々変わる可能性があります。| | 項 | ここに書いている価格情報は、参考程度にお取り扱いください。| +-----------------------------------------------------------------+
>来週末出荷予定の３１１Ｐに関しては、「今までのものより少し高い、１万２千
>円くらいになるんじゃないでしょうか」というお店と、「今までのものと同じく、
>やはりこれも８〜９千円程度になるでしょうね」というお店の両方がありました。
と前回書いた３１１Ｐもすでに出荷されており、やはり８千円台の価格帯に設定されていました。
ところが、３１１Ｐが出荷されたおかげで、以前からあった３１２Ｓ、３１３Ｓは５千２百円という価格に下がっていました。
お店の人によると、「性能は３１２、３１３のほうがいいのですが、３１１は待ち受け時間が８００時間と、従来になく長くなっています」とのことでした。
>新宿の場合、ヨドバシカメラだと、本体７，８００円、カード１１，１００円で、
>合計が１８，９００円です。なんと、ヨドバシカメラはこれが税込価格なのです。
カードのほうも、池袋との価格差が発覚したのか９千８百円に価格設定されていました。
つまり、本体ともでちょうど１万５千円です。
さすが、「生もの」の市場価格だけあって、２週間でかなり下がりましたねぇ。まだまだ価格は水平飛行に移っておらず、下降途上にあるようです。
でも、カシオのＱＶシリーズ（デジタルカメラ）のように、下がっている、下がっていると思っていたら、急に上昇に転じるという製品もありますから、最近の市場価格は恐いですねぇ。(^^;