[97.11.03]

海外からの通信（モバイルギア編）

イタリア（フローレンス）からの、モバイルギア(MC-MK22)による通信を試み、うまくいきました。そこで、その準備から、現地での調整作業までをまとめてみました。

１．日本での事前準備
（１）アクセスポイントの確認
（２）モバイルギアの設定
（３）モジュラ変換プラグの入手
２．現地にて
（１）モジュラジャックの確保
（２）モバイルギアの調整

１．日本での事前準備

（１）アクセスポイントの確認

海外からニフティにアクセスする方法は、go node から、「海外からのアクセス方法」を調べることで得られます。

>--------------------------------------------------------------------
>  国際専用回線名                          料金
>--------------------------------------------------------------------
>  コンピュサーブネットワーク経由　　　　　20円 /分
>  コンピュサーブメニュー経由　　　　　     $12 /時間
>  INFONET 経由　　　　　　　　　　　      70円 /分
>  TYMNET経由　 　　　　　　　　　　　　　 70円 /分
>  Internet経由                            なし
>--------------------------------------------------------------------

私は、ニフティ以外のインターネット・プロバイダと契約していないので、今回は一番上の「コンピュサーブネットワーク経由」という手法をとることにいたしました。これだと、通常、国内からのアクセスに、毎分２０円の追加料金がいることになりますが、なかでは安いほうですし、特別な手続きも必要ありません。

それでは、コンピュサーブのアクセスポイントを、go phone で調べましょう。

>＞go phone
>
>アクセスポイント一覧    PHONE
>HyperROAD経由でご利用の場合を除き、番号選択後は無料です。
>
> 1. ニフティサーブAP一覧               2. 海外AP一覧（アメリカ）
> 3. 海外AP一覧（ヨーロッパ）           4. 海外AP一覧（その他）
> 5. コンピュサーブAP(Node) 一覧        6. INFONET AP(Node)一覧
> 7. TYMNET AP(Node) 一覧               8. TTN-NET/HANJIN-NET/FAL-NET
> 9. APの追加・変更に関するお知らせ    10. 問い合わせ窓口
>＞5
>情報数：5  
>番号  題名
>  1   アメリカ合衆国 (United States of America) 州毎(A～H)
>  2   アメリカ合衆国 (United States of America) 州毎(I～M)
>  3   アメリカ合衆国 (United States of America) 州毎(N～O)
>  4   アメリカ合衆国 (United States of America) 州毎(P～W)
>  5   カナダ／ヨーロッパ／南米／アジア
>＞

ここで、自分の行く地域を選んで、番号を入力してやります。今回はイタリアで
したので、「５」を入力しました。

>＞5
>  5   カナダ／ヨーロッパ／南米／アジア
>
>【１９９７年１０月２日現在】
>
>                     COUNTRY  AREA
> CITY                  CODE   CODE     PHONE NUMBER NETWORK BAUD RATE
> ------------------- ------- ------    ------------ ------- -----------
                                （ 中 略 ）
>
> **Italy（イタリア）**
>
> Milan                    39     02        22479532     CPS 1200-33,600
> Rome                     39     06        51957347     CPS 1200-33,600
>
                                （ 後 略 ）

こんな感じで、約２００行におよぶアクセスポイントリストが得られます。

どうやら、イタリアにはミラノとローマの二つのアクセスポイントしかないようです。CONTRY CODE が、国際電話のときの国番号、AREA CODE が、いわゆる市外局番のようです。

（２）モバイルギアの設定

モバイルギアの設定は、きわめて簡単で、基本的に接続先を上で調べたアクセスポイントに設定して、「拡張設定」のオートログインコマンドを、次のように変更するだけです。

****** '[*]NIFTY'[>]SVC'[>]\I'[d ][>]\P'[へ]

変更点は、頭の'[*]NIFTY'というところだけです。

ＳＶＣを打ち込んでからは、国内となにも変わりません。go node で得られる、「コンピュサーブネットワーク経由アクセス方法」の説明も、次のようになっています。

>  初めから 8bit Non Parityで接続することも出来ます。この場合、以下のように画
>  面が乱れますが、気にせずに改行を入力したのち、「NIFTY 」と入力します。
>  --------------------------------------------------------------------------
>  CONNECT
>
>  麹                                   (改行を入力した)
>    06SニN
>         麹
>           HoN硼e:NノニヤY           (Host Name:に対しNIFTY と入力した)
>
>  垢onnected to 30FENICS
>   Enter Connection-ID  --->SVC
>
>  --------------------------------------------------------------------------

つまり、文字化けしようがどうしようが、改行と、NIFTY という文字さえ入力してしまえば、あとは国内でやっているのと同じということです。

なお、モバイルギア設定の詳細は、 nifty:FNECMC/MES/12/277 から 280 に書かれていました。詳しい設定方法が知りたいかたは、そちらをご覧ください。

（３）モジュラ変換プラグの入手

さて、モデムを接続するには、各国それぞれの電話のコンセントのタイプから、形式を変換してやる必要があります。ＡＣコンセントのアダプタと同じですね。

これは、go tarze で、「MobilePC 『タルーゼ』」という店から、通信販売で入手することができます。東京、大阪にお住まいのかたは、秋葉原、日本橋に、アイツーデータというお店で、直接購入することもできます。インターネット（ウェブ）からは、http://www.tarze.or.jpをどうぞ。

ちなみに、次のようなアダプタが用意されています。

>番号    単価      商品名     (登録数：  18)
>0001     1,500円  電話回線アダプタ「スイス」タイプ
>0002     1,000円  電話回線アダプタ「ハンガリー」タイプ
>0003     1,000円  電話回線アダプタ「チェコ／スロバキア」タイプ
>0004     1,000円  電話回線アダプタ「ロシア／ポーランド／ブルガリア」タイプ
>0005     1,000円  電話回線アダプタ「スロベニア」タイプ
>0006     1,000円  電話回線アダプタ「イタリア」タイプ
>0007     1,000円  電話回線アダプタ「オーストリア」タイプ
>0008     1,000円  電話回線アダプタ「フィンランド」タイプ
>0009     1,000円  電話回線アダプタ「サウジアラビア」タイプ
>0010     1,000円  電話回線アダプタ「イギリス」タイプ
>0011     1,000円  電話回線アダプタ「南アフリカ」タイプ
>0012     1,000円  電話回線アダプタ「フランス」タイプ
>0013     1,000円  電話回線アダプタ「ドイツ・F」タイプ
>0014     1,000円  電話回線アダプタ「ベルギー」タイプ
>0015     1,000円  電話回線アダプタ「スウェーデン」タイプ
>0016     1,000円  電話回線アダプタ「オランダ」タイプ
>0017     1,000円  電話回線アダプタ「デンマーク」タイプ
>0018     1,000円  電話回線アダプタ「オーストラリア」タイプ

送料は別で、本州内は６００円、北海道・九州および沖縄は１，０００円が必要です。

私は秋葉原で直接購入してきました。店内には、この変換プラグのほかにも、モバイル用の各種機器がところせましと置かれていて、見ていてあきません。モバイル好きの方は、ぜひ一度行ってみることをおすすめします。

２．現地にて

（１）モジュラジャックの確保

さて、現地のホテルについてまずやることが、通信用の回線の確保です。

最近は、米国などの通信先進国では、データポート（通信用のモジュラジャック）が用意されているホテルもあるそうです。こういうホテルの場合は、それをそのまま利用いたします。

そうでないホテルの場合、まず電話機本体を確認してみます。電話機と電話線がプラグで接続されている場合、その形式はアメリカや日本と同じ形式（この形式を「ＲＪ－１１」というそうです）であることが多いので、そのままモデムの口に差し替えることができます。

電話が電話線に直結されている場合は、電話線をたどってみます。この電話線が、壁際でコンセントに差し込まれている場合は、日本で準備してきた変換アダプタの出番です。

壁際も直結になっている場合は... 通常はあきらめるしかありません。こういった場合に備えて、「音響カプラ」をもっていく人もいるようです。かの山根一眞御大は、電話機や壁際の接続装置を分解してでも、通信経路を確保するそうです。

今回のホテルは、電話機がＲＪ－１１形式のプラグで接続されていましたので、それをそのまま利用することにしました。

ちなみに、前回英国で泊まったホテルは、電話機も、壁際も両方とも直結でした。ヨーロッパは、このタイプ（←「直結」のこと）が多いのかも...

（２）モバイルギアの調整

ここでの調整は、外線への発信の仕方とダイアルの仕方（トーンかパルスか）のふたつです。

外線発信は、ホテルによって０発信のところ、９発信のところなど、いろいろとあるようです。室内に備え付けられているパンフレットをみると、どちらか書いてあります。

それを調べて、モバイルギアの「回線設定」の、「内線→外線発信」の項目を設定してやります。

つぎに、ダイアルの仕方の調査です。受話器を耳に当てて、プッシュボタンを押してみて、「ピッポッパッ」という音が聞こえてくるときは、たいていの場合、トーンです。

わからないときは、モバイルギアの「回線設定」の「ダイヤルモード」のところを、「トーン」、「パルス１０」、「パルス２０」と次々に変更してみて、試行錯誤的に調べてみてもいいでしょう。

ホテルに聞くという手もありますが、今回行ったフローレンスでは、あまりデータ通信が一般的でないのか、どのホテルとも「なにそれ？」的な反応だったそうです。米国のホテルなどでは、聞けば教えてくれるかもしれませんね。

今回のホテルでは、外線０発信の、ダイヤルモードはなんとパルスの１０でした。最近のカードモデムやＰＣ内蔵モデムなどでは、この「パルス１０」という設定ができないものも多く、このために通信を断念した人も大勢いました。

たいていの国では、「トーン」か「パルス２０」（←最近は、「パルス」といえば、デフォルトでこちらでしょう）のどちらかでＯＫだそうです。

以上の設定により、あとはモバイルギアのオートパイロットにおまかせで、きわめて簡単にニフティへの接続およびメールの読み書き、フォーラム会議室の読み書きができたのでした。(^^)